2012年06月05日

かわさきオープン6回戦を超細かく振り返る@


私が持っている棋譜集の中に「土曜会 Best Selection」というものがあります。今から20年前に土曜会リーグというのがあって、そこでは毎週土曜日に持ち時間2時間半という長丁場の試合を1試合だけ打ち、それを何週間もかけて全員で総当たり戦を行うということをやっていたらしいです。もちろん、持ち時間が長いだけあって一手一手にそれぞれいろいろな読みを加味した上で最高の手を追究することが出来るわけでして、この棋譜集には谷口良一六段がそれぞれの手をどのようなことを考えて着手しているのかが細かく書かれていてとても良い勉強になります。

さて、それを私の思考と比較すると雲泥の差があり過ぎるのですが、今回のかわさきオープン6回戦での私の打ちまわしは今までたくさんの公式戦を打ってきた中でもほぼ完璧と言えるほど上手く打つことが出来ました。そこで今回はいつもとは趣向を変えて、私がどのようなことを考えて着手をしたのかを細かく書いていきたいと思います。とはいっても序盤に関しては2手目の斜め取りとか4手目とか、裏こうもりに対する応手とか、ある程度は省略して17手目から書かせていただきます。


・かわさきオープン6回戦

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黒 K原さん   黒番
白 田中(四段)

K原さんは連盟会員ではないために有段者ではないのですが、その実力はこの日も私が密かに優勝候補だと思っていた程の強さで、普段はネット対戦で毎日のように私はボコボコに負かされています。しかし公式戦での対戦はこれが初めて。やはりここは四段としての意地を見せたいところです。とは言うものの、5回戦までの私の成績は○○△△×で、最終戦で負けてキレイに七対子ならぬ三対子が出来上がるようなイメージがあったのは確かです。
まぁ前置きはこれくらいにして内容について触れていきたいと思いますが、普段のネット対戦では私が黒を持つことのほうが圧倒的に多いので、お互いにやりづらい気持ちがあったと思います。上図は裏コウモリのよくある進行ですが、ここでK原さんは「どっちにしようかな〜」とつぶやいていました。どっちというのがA3とB5のことを指しているということは普段よく対戦している私にはすぐに分かったのですが、私の期待に反してK原さんはA3のほうに打ってきました。暗記という点では黒A3に対して白C6が最善手というのだけは知っていましたが、そこで私の暗記は切れていました。ですから、ここから先は実際にはゼブラ並みの好手を私は連続して打つことになるのですが、それが暗記ではなくちゃんと考えて打った手であることに大きな意味があるのです。

120603K原2.png
黒 K原さん
白 田中(四段) 白番

白C6に対して黒はB6と打ってきました。これはまぁ、感覚的にも普通に白B5と置きたくなりますよね。特に黒の手を潰したいような箇所があるわけでもないですし、白B5と打っても黒はA4、A5、A6のどこにも打つための種石が無いことが特に魅力的だったため、白B5に打ちました。その次の黒の手も考えてみたのですが、どこも悪手しかないように見えて黒のほうが難しそう、というのがこの時点での正直な感想です。


120603K原3.png
黒 K原さん
白 田中(四段) 白番

黒はC7と打ってきました。ここで白C8とする手も無いわけではないと思いながらも、左辺に着手するほうが無難だと結論づけました。一応白A4と白A5を候補に絞ったのですが、白A4なら黒A5は間違いないと思われて次に白がD6に着手出来ないのが厳しいこと、黒E2への種石を消しきれないこと、将来的にA2が黒の余裕手になること、などのマイナス要因からA4は却下。対して白A5は黒にE2と打たれてもD6に白が打てるようになるのが大きく、まぁ感覚的にもA5が良さそうだったので白A5で決定しました。


120603K原4.png
黒 K原さん
白 田中(四段) 白番

そして予想通りに黒E2と来たわけですが、上図では白D6以外に白D7もあるかもしれないと思いました。しかし、次に黒A4白A6黒A7と進むと白はD6に打てなくなってしまうので、やはりここでは普通に白D6を選択しました。


120603K原5.png
黒 K原さん
白 田中(四段) 白番

5列が白で通ったので黒はF5と打ってきました。ここはもう白D7以外に考えませんでした。黒A4と打たれるとB5の石が返らなくなりますが、それでも白はA6に打てるので問題ありません。


120603K原6.png
黒 K原さん
白 田中(四段) 白番

実際にその通りD7A4A6と進み、次に黒は6列が白で通ったので黒F6と打ってきました。黒A7を予想していたのでちょっと意外だったのですが、ここは次の黒F7という手を消したかったので白A2としました。黒がE1に打ったらD2の白石が消えるので白G5と打ちやすくなること、そして白G5が実現するとそれが白E7への種石になることまで、この時の私には見えていました。


120603K原9.png
黒 K原さん
白 田中(四段) 白番

私の読み通り、白A2の後は黒E1白G5黒G6白E7となって次に黒がH6と打ってきたのが上図です。普段の私だったら好んで辺を取って手数を稼ぐような傾向があるのですが、ここでは白F1とすることは全く考えていませんでした。それよりも白G4があまりにも良く見え過ぎてしまって、他の手の検討をする気が無くなってしまったのかもしれませんね。一応、白G4と打った場合の黒の応手を考えてみたのですが良さそうな手も私には見当たらず、黒がどんな手を打ってくるのか期待しながら白G4と打ちました。


120603K原10.png
黒 K原さん
白 田中(四段) 白番

そしてここで黒B7と勝負にきました。この時はもう左辺は取られてもいいと思っていました。ここで私が打ったのは白C1。もちろん、これは放置すると次の白B2が大きいので、黒はB1と取ってきたのですが、この時点で私はさらにずっと先まで読んでいました。ここからはまた書くと長くなるので、次回この先の進行について触れながら書いていきたいと思います。


〜次回へ続く。
posted by たなか@とうかい at 23:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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